JR吉都線小林駅から東へ700mほど、市道を進むと住宅が点在する風景の中に建っていました。整えられた植栽、落ち着いた佇まいに気後れしながら車を進めると、奥に駐車場が用意されています。
受付は浴舎と向かい合う民家にあり、こちらで料金を支払います。改めて正面に見る浴舎は、どことなく品のある風情を醸し出しています。ドアを開けると脱衣所です。板張りの床は隅々まで掃除が行き届き、清潔感が溢れています。木製の棚がずらりと並ぶ空間に無駄なものは何一つなく、必要なものだけが用意されています。透明のガラス戸の向こうには浴場が見えます。
窓際に浴槽、壁側に洗い場が並びます。柔らかい色調のタイルが壁を描き、薄い灰色のタイルが床を覆っています。浴槽は淵に施された黒い御影石のような部分を除き、赤茶けた色に変化しています。
浴槽に満たされた湯は貯め湯のようで、見入ってしまうほど赤い色を帯びています。奥の浴槽には熱い湯との表示があります。このときは手前の浴槽も熱く、コックをひねって加水しました。臭いはなく、肌にさらりとした感触が残りました。洗い場の湯は透明で、赤色の湯は出てきません。
窓から覗く風景には吉都線を走る列車が映ります。しばらくの間、ひとりっきりで赤湯を楽しませていただきました。
敷地内には休憩室があり、別料金を支払うことで一日、あるいは半日の利用もできるようです。
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沢牟田(ぞんた)温泉 ※2014/5/1から休業中との情報あり
小林市細野2058-1
0984(22)2680
泉質不明(冷鉱泉?)
シャンプー類なし ドライヤーあり
内湯
350円
12:00~22:00
休:第2・4日曜日
2013/5/25