京町温泉 京町観光ホテル

京町温泉街の北東に建つ宿、川内川の堤防も近い。ホテルのチラシによれば、立ち寄り湯は朝8時からと早い。玄関を入ると右手にフロント、立ち寄り湯をお願いする。丁寧な対応を受ける。浴場は奥まった場所だった。

紺色の暖簾をくぐる。脱衣所は無垢の木が壁に取り入れられている。落ち着いた風情を感じる。脱衣棚にはそれぞれにプラ籠が用意され、無料の貴重品入れが備わる。



浴室の壁にも無垢の木が用いられている。浴室の半分ほどを占める逆L字型の浴槽の淵は15㎝ほどの厚い木が守る。浴槽側のタイルは所々黒く染まっている。浴槽を満たす湯は土色を帯びた潮濁りだ。泉質に興味が湧く。



湯口の湯は熱い。手ですくえないほどではない。臭いは感じ取れない。口に含むと苦味と雑味が広がりザラ感が残る。肌にベタつきはない。浴槽は湯面下で二つに分かれている。湯口から供給された湯は湯口のある槽から洗い場側の槽へ流れ込む。当然、洗い場側の槽が幾分温い。
洗い場は4か所用意されている。蛇口に供給される湯は白湯と思われる。シャンプー類に不足はない。




内湯には露天へ続く扉がある。スノコが敷かれた廊下を進むと露天が現れる。日差しを避ける工夫が施されている。四方は竹を編んだ塀で守られる。露天の周りは圧迫感なく植栽され、日差しの中でも落ち着いた心で湯を楽しめる。




湯は内湯と同じく土色を帯びた潮濁りだ。適温に調整されている。露天の楽しみのひとつは湯に身をあずけながら風景を楽しむこと。えびのの自然と風景を楽しむことはできないが、風情を運ぶ空気は露天にも届く。



京町温泉は穏やかだ。賑わいが苦手な人にはうってつけの温泉地だろう。北にはスイッチバックの途中にある肥薩線真幸駅、南には霧島連山が佇む。時計を気にせず過ごしたいならおススメの温泉郷だ。


京町温泉 京町観光ホテル
えびの市向江669
0984(37)1231 HP
ナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩温泉
56.4℃
シャンプー類、ドライヤーあり
内湯・露天
400円
家族湯1200円/60分
8:00~21:00
2018/8/18


京町温泉 鶴の湯

京町温泉から国道447を北上し川内川を渡ると直ぐ、左手に赤と黒で書かれた看板が場所を示す。軽自動がやっと通過できるほどの道を下るとバラスを敷き詰めた広場が現れる。左手に建つのが浴舎だ。共同浴場である。




扉を置開けると番台の位置に青い箱が備わる。料金箱だ。200円を入れる。無人だ。脱衣所には木製の棚とプラ籠が用意されている。夏にありがたい扇風機も用意されている。施設は保守が行き届いている。

浴室に入る。思いのほか広い。手前半分が半円を描く浴槽は淵が白色に近い土色で、浴室の床に敷き詰められた小さい六角形のタイルも同じ色を見せる。コーティングしたかのようだ。浴槽の内部は緑色や紺色のタイルが貼られいる。施設が供用されてどれほどの年月が経過したかは分からないが、タイルに補修の跡が見当たらない。大切に使用されてきたのだろう。




湯口は壁から突き出たパイプだ。絶えず注がれている。隣り合って加水のパイプが導かれている。浴槽に満たされる湯は透明だ。湯口から湯を手にすくってみる。熱い。耐えられない温度ではない。臭いは感じ取れない。含んでみると苦味と雑味、その後ザラリ感が追ってくる。温泉らしさを感じさせる湯で、肌にはサラリとした印象を残す。




土曜日の昼前、ずっと一人っきりだった。浴槽の壁に描かれた山のようなデザイン、どこの風景を描いたものか思案しながら浴場を後にした。


京町温泉 鶴の湯
えびの市大字水流
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
55.5℃
内湯
200円
6:30~21:00
2018/8/18


京町温泉 玉泉館

国道268号線沿い、欧州風の急傾斜した屋根と手書きの看板が目に留まる。玄関を入るとフロント、出てきた女性の方に入浴料金を支払う。
館内を歩き出すと、モダンな外観とは裏腹に長い歴史を刻んだ宿であることが分かる。




浴場はフロントから右に折れ、突き当りを左に曲がり奥まで進んだ廊下の先にあった。隣り合って貸切湯、貸切露天(すっぽんぽん風呂)の入口がある。青い暖簾をくぐると脱衣所、思ったよりもコンパクトだ。木製の棚とプラ籠が並ぶだけの、至ってシンプルな空間だ。

扉を開けると浴室、中央に柱が立つ。低い天井が浴室をコンパクトに印象付ける。
浴槽はコンクリート製と思われる。飾りもなく至って簡素だが、形は七つの辺で構成されるほど個性的だ。



壺の口のような湯口からは絶えず熱い湯が注がれている。口に含むとヒノキと油を合わせたような味が舌に残る。浴槽を満たす湯は薄っすら潮濁りで、臭いは感じ取れない。
洗い場は2か所ある。コックをひねって出てくるのは源泉だ。2009年12月付けの温泉分析書に湯量の記述はなかったが、湯量豊富な自家源泉だからできるのかもしれない。




戸外には五右衛門風呂のような壺湯が2つある。段違いに設置され、大人一人がようやく入れる規格だ。周りは塀や壁が設置されて風景を楽しむことはできないが、限られた場所に個性溢れる演出で頭が下がる。




玉泉館は老舗の宿らしい。その証は館内の至る所で感じ取ることができる。部屋、大広間、廊下、あえてそのままを守り続けているようにも思える。


京町温泉 玉泉館
えびの市向江647-1
0984(37)1550
単純温泉
55.3℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 壺風呂
300円
貸切湯 一人500円/60分
10:00~21:00
2017/1/3

京町温泉 十兵衛の湯

京町温泉の東、えびのインターチェンジ方面から車を走らせると京町の入口に位置する。国道268号沿いに広い駐車場を有し、うどん店と宿も併設する。
中に入ると、休憩室を兼ねた受付空間が左手にある。自販機でチケットを購入し、右手にある受付の方に渡す。暖簾は赤と青、男女は日ごとに入れ替わるようだ。




向かって右側が本日の男湯だ。脱衣所にはコインロッカーが並ぶ。10円玉が必要だ。洗面台にはドライヤーが並ぶ。センター系施設のような造りと広さだ。浴室は広く高い。左手に洗い場がずらりと並び、右手にはサウナ、水風呂、主浴槽が並ぶ。戸外には露天風呂が配置される。




湯口から浴槽に満たされる湯は透明だ。口に含むと弱い塩味とざらつき感が残る。気に止まるような臭いはない。湯口を飾る石の表面には白色系の塊が見られる。常に湯にさらされている部分は茶褐色に染まっている。浴槽の淵周辺にも白色系に色を変えている部分がある。

露天風呂には屋根が施されている。雨の日も楽しめる。浴槽の淵にあしらわれた木が見事に侵食されている。露天風呂の周りは高い塀で囲まれているため、えびのの風景を楽しむことはできない。植栽された草木の姿を楽しむことになる。





午前中の訪問だったが、来客が途切れることはなかった。決して安くはない料金設定ながら、広い浴室と湯の力が人を惹きつけるのかもしれない。


十兵衛の湯
えびの市向江212-1
0984(37)2799 HP
ナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩・塩化物温泉
64.5℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天 蒸し風呂 水風呂
脱衣所コインロッカー10円
450円
7:00~23:00
貸切湯 2000円/60分(予約制)
10:30~14:30
2017/1/3

京町温泉 岡松温泉

国道268号から真幸小学校の南側を通り川内川を渡る。300mほど進むと左手に岡松温泉の場所を伝える簡易な看板が立つ。そこからは浴舎が見える。
細い道を抜けると駐車場、そして浴舎の入口だ。春木商店は解かれていた。料金は脱衣所に設けられた透明の箱に入れることになる。




脱衣所には木製の棚が置かれ、壁には料金の知らせが掲げられている。
扉を開けるとやや暗い浴室が現れる。浴室は脱衣所より低く、男女を分ける壁に沿い特徴的な形と色の浴槽が配置されている。浴槽は洗い場側が弧を描き、柿色のタイルが個性を与える。




湯口は鉄製のパイプで、絶えず湯が注がれている。湯量はハンドルで調節が可能だ。浴槽に注がれる湯は極薄く褐色を帯びている。手に取ればヒノキ 臭を感じ取れる。存在感のある湯だ。浴室は共同浴場にしては広い。洗い場はないため、浴槽から湯をくみ上げて体を洗うことになる。




浴舎の妻壁に掲げられた温泉名は10年ほど前に訪れた際には明確に読み取れたが判読が難しくなり、外壁の色も褪せていた。しかし湯は変わらぬ存在感を維持していた。


京町温泉 岡松温泉
えびの市大字岡松
泉質不明
泉温不明
アメニティーなし
内湯
200円
~21:00
2017/1/3