京町温泉 鶴の湯

京町温泉から国道447を北上し川内川を渡ると直ぐ、左手に赤と黒で書かれた看板が場所を示す。軽自動がやっと通過できるほどの道を下るとバラスを敷き詰めた広場が現れる。左手に建つのが浴舎だ。共同浴場である。




扉を置開けると番台の位置に青い箱が備わる。料金箱だ。200円を入れる。無人だ。脱衣所には木製の棚とプラ籠が用意されている。夏にありがたい扇風機も用意されている。施設は保守が行き届いている。

浴室に入る。思いのほか広い。手前半分が半円を描く浴槽は淵が白色に近い土色で、浴室の床に敷き詰められた小さい六角形のタイルも同じ色を見せる。コーティングしたかのようだ。浴槽の内部は緑色や紺色のタイルが貼られいる。施設が供用されてどれほどの年月が経過したかは分からないが、タイルに補修の跡が見当たらない。大切に使用されてきたのだろう。




湯口は壁から突き出たパイプだ。絶えず注がれている。隣り合って加水のパイプが導かれている。浴槽に満たされる湯は透明だ。湯口から湯を手にすくってみる。熱い。耐えられない温度ではない。臭いは感じ取れない。含んでみると苦味と雑味、その後ザラリ感が追ってくる。温泉らしさを感じさせる湯で、肌にはサラリとした印象を残す。




土曜日の昼前、ずっと一人っきりだった。浴槽の壁に描かれた山のようなデザイン、どこの風景を描いたものか思案しながら浴場を後にした。


京町温泉 鶴の湯
えびの市大字水流
ナトリウム・カルシウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉
55.5℃
内湯
200円
6:30~21:00
2018/8/18